久しぶりに秋晴れの一日となった。石神の彼岸花が燃えた。
 曼殊沙華 一むら燃えて秋陽つよし そこ過ぎてゐる 静かなる径
 彼岸花を見るとこの歌を思い出す。木下利玄の歌である。かなり有名な歌でかつては牡丹花の歌とともに中学の国語の教科書にも載っていた。石神の田んぼ中の道は普段はまさに静かな田舎道である。しかしながら、菜の花時期と彼岸花の時期は多くの人が訪れる。
 木下利弦は肺結核を病み40歳で亡くなった。この歌は亡くなる1月ほど前に作られているので実際に彼岸花を見ている訳ではない。彼岸花はかつてはお墓の近くに植えられていた。病の重くなった利玄の目には遠く離れた故郷のお墓のそばの静かな道に咲いている曼殊沙華が見えたのであろう。それは程なく自分が静かに逝く道でもあった。育ち盛りの中学生にはどんな説明をもってしても理解はできなかったであろう。石神の道は小湊鉄道の線路へ続きその先は菜の花の咲き乱れる春へと続いている。畑にはもう己生えの菜の花が芽を出している。

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2時の下りが石神にやってきた
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養老渓谷駅で折り返した3時の上り列車が板谷崎へ入ってきた
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石神の彼岸花はまだこれからだ 

飯給駅の彼岸花 9月27日小雨の中で撮影
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飯給駅の東側の田んぼの畔にも彼岸花が咲いている。飯給駅の上り
方向の踏切付近にも彼岸花が咲きだしている。